仕事道楽

飲み屋で宮崎駿が泣き出した。さあ、どうする?~『仕事道楽』 鈴木敏夫著(評:朝山実)

このレビューを読んだら劇的に読みたくなって、帰りに本屋に寄って購入。
とてもおもしろい内容で一気読みできました。4時間もかかんないっすよ、2時間くらい。

この本の中の宮崎監督は、ものすごく直観的で天才的という感じで描かれてるのですが、その反面なんだかとっても「かわいい」なぁと思える描写もあります。
そういう面も見せられる強い信頼関係があるからこそ、今までの作品が生み出されたのだなぁと思いました。

もともと鈴木さんは編集者ですが、本の中で「編集者は作家の一番の読者でならなければいけない。」と言っています。その下りを見て、例の雷句誠と小学館の事件を思い出しました。鈴木さんの言ってるのは、基本中の基本のことのような気もするのだが。監督とプロデューサー、作家と編集者の関係って似てるのかもしれませんね。

ジブリの裏話的なこともたくさん載ってておもしろかったし、鈴木さんの考え方や経験談には、仕事の上でも役に立ちそうなノウハウがたくさんありました。

ちょっとおかしかったのを一つ抜粋。

◆藤岡藤巻の藤巻さん

藤巻さんの方は、本職は博報堂の偉い人で、昔はジブリ映画の宣伝の仕事にも関わっていたらしい。
しかし、かなりいい加減な仕事っぷりだったらしく、
鈴木さんの部下に「どうして藤巻さんとお付き合いするんですか?決して鈴木さんのためになる方だと思えません。」と言われるほど(笑)
それでもやはり人間的な魅力がある人で、鈴木さんにも宮崎監督にもかなり気に入られていたらしい。だから結果的にこういうことになってるんでしょうね。

この前、ラジオにも出演してたのだが、今仕事中なんですけど抜けてきました。ラジオに出てるってしれたら大変なことになりますよ。みたいなことを言っていて、おもしろい人だなぁと確かに思いました。

 

ついでで、本の話じゃないんですが、
鈴木おさむもプロフェッショナルにいたく感動したらしく
次の日にラジオで、しきりに番組について語っていました。

中でも絵コンテにとりかかるときに、
「めんどくせぇ」とつぶやいてたのに目からうろこが落ちる感じだったらしい。

鈴木おさむは、仕事をするときに(放送作家だから脚本とか書くときでしょうが)
「めんどくさい」って思っちゃいけないと思ってたらしいんですが、
あんなすごい人でも「めんどくさい」って言うんだと感動したらしいです。

そこまでは思わなかったが、あぁそういう見方もあるのかと思った。

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)
仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143) 鈴木 敏夫

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日記

Posted by ponnao