電通とGoogleの間で交わされた、ジョークのような本当のような交渉

2011年8月18日

電通とGoogleの間で交わされた、ジョークのような本当のような交渉

※ちなみにその2。電通はGoogleをメディア企業(枠を売ってくれるパートナー)と最初勘違いしていて、気がついたら誰も電通を通さずに直接広告を出す世界ができてしまった、という経緯があったりするみたいです。

ここの参照になってたのが、日経ビジネスオンラインの2007年7月6日(金)の記事です。 ★電通が挑むメディア総力戦 【後編】~グーグルに負けない~:日経ビジネスオンライン

電通グループはこのグーグルが得意とする新たな市場に乗り遅れた。長澤はその理由として、従来の広告のビジネスモデルとの違いを挙げる。だが理由はもう1つある。グーグルを「メディア企業」と捉えていたことである。 電通は広告主に最適な広告戦略を提案する一方で、いかなるメディア企業とも公平につき合い、日本有数の広告枠を揃えることで強さを発揮してきた。前門の広告主、後門のメディア企業。双方は、電通の根幹を成す大切なお得意様。電通自身がメディアとなって他のメディア企業と競合関係になることはタブーとされてきた。 グーグルも電通にとって、広告枠を提供してくれる大切なメディア企業。少額だが、大手広告主がアドワーズ広告を出す際、電通がグーグルとの間に入って取り次ぐこともある。 しかし、電通を介さずにグーグルと直接取引する企業は増える一方。グーグルへの取り次ぎも、結果として「広告会社グーグル」を肥えさせることになってしまう。

ネット広告市場の先頭を常に走ってきた長澤。ただ、彼には1つだけ後悔がある。米グーグルが市場を席巻する成果報酬モデルの広告。ここに本格参入しなかったことだ。 成果報酬モデルについては、電通グループの戦略として、はっきり言って後れを取りました。テレビにしても新聞にしても、見ていようがいまいが、広告の露出に対して広告主さんからお金を頂ける。ところが成果報酬モデルは、露出してもクリックしなければお金を頂けない。今までのモデルを否定するところがあって、やっぱり積極的に入りづらかった。 でも、成果報酬広告のニーズは膨らみ、グーグルモデルは大成功しました。グーグルの立ち上がり期に様子を見ていたことは、「市場を作る」という電通のカルチャーに照らせば反省点。1人の電通マンとしては、早めに突っ込むべきだったなと思っています。

電通は5月末までに、キーワード連動型のネット広告配信事業に本格参入する。グループの総力を挙げて、グーグルが運営するアドワーズとアドセンスの電通版を始めるということだ。 広告に関連づけたいキーワードごとに入札できる広告主向けのサービスを用意。広告の掲載先は、電通グループのCCIが抱える大手サイトの広告枠のほか、ブログなど個人のサイトにも拡大し、成果報酬モデルの広告ネットワーク「アドマーケットプレイス」を拡大させていく。 アドマーケットプレイスの運営は、主に電通グループのクライテリア・コミュニケーションズ(東京都港区)が担当。同社の配信システム「ADJUST」などをベースに、キーワード連動型の広告配信システムを完成させる。 クライテリアには今年3月、NTTデータなどのNTTグループが出資したばかり。日本語の揺らぎを認識するNTTデータの技術「なずき」を、広告と掲載先のサイトのマッチングに利用する。「広告配信先のサイトがネガティブな内容であれば、広告のキーワードと一致しても掲載しない」といった高度な広告配信を目指す。

結局これってうまくいかなかったんだよね?