ぐるりのこと。

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080621_チネチッタ川崎にて

<ストーリー>
「お、動いた!」小さく膨らんだお腹に手を当て、翔子は夫のカナオとともに、子を身籠った幸せを噛みしめていた。しかし、そんなどこにでもいる二人を突如として襲う悲劇…初めての子どもの死をきっかけに、翔子は精神の均衡を少しずつ崩していく。うつになっていく翔子と、彼女を全身で受け止めようとするカナオ。困難に直面しながら、一つずつ一緒に乗り越えていく二人…。

<感想>
予告編がいい感じだったのと、法廷画家という職業に興味があったので。

実のところ、最近見た中でいちばん好きな映画です。(いつもは気の合わないおすぎも大絶賛だが(笑))
この監督の撮り方いいなぁと思いました。

夫婦のシーンも好きなのですが、私的には法廷のシーンがどれも印象深かった。
その当時話題になった大きな事件をモデルにしていて、やけに生生しい。
画家であるカナオの目から見てるので、細かい仕草から犯人や証人の真の姿が感じ取れるとことか、すごいなと。
おっ!という人がチョイと意外な役ででてたりするとこもおもしろい。

実際にあった痛々しい事件に対し、カナオは淡々と、描くこと、生きること、妻を受け入れることに徹している姿が印象的でした。
あまりにも自然に受け入れすぎててちょっと出来すぎみたいなきらいはあるかなぁ。でもリリー・フランキーの自然さはうまいと思う。こういう人って飄々となんでもこなしちゃうんですねぇ~

夫婦のシーンは、今の自分と照らし合わせて、どんな自分であっても受け入れてもらえるのは、幸せなことなのだなと思い、しかしそれを実現するためには普段の日々の積み重ねが不可欠なんだと思ったり。
あらすじは「乗り越える」って書いてあるけど、乗り越えるって感じでは決してなかった。
むしろ困難に抗わないで、自然に流されていった方がよい場合もあるし、時間というものは確実に傷を癒してくれるものなのだと感じた。

ストーリー展開の中で、意外なところがざっくりはしょられてたり、
たわいもないシーンが垂れ流しみたいな箇所があって、鑑賞者にイメージさせる余韻をもたせてるとこも好きです。

どの登場人物も短所がまるわかりなんだけど、愛すべきキャラなのも魅力的。


『ぐるりのこと。』リリー・フランキー 単独インタビュー – goo 映画

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Posted by ponnao