価値観の違いの問題なんだね。(国母問題について)

2010年2月18日

昨日は皮肉っぽい記事にしちゃったけど、
その後他の記事を読んでたら、国母くん他スノボの選手をすごく応援したくなってきた。

オリンピックだからとか選手が日本を背負っているから恥ずかしいとか
そういう意見はちょっと違うんじゃないの?と思ってます。私は。

河野太郎公式サイト | ルールと価値観

河野さんは、本当にまっとうな意見を言ってて、ちょっと好きになりましたww

しかし、不愉快に思ったり、だらしないと思ったりというのはその人の価値観であり、誰かの価値観にあわないから処分するというのは、私的な集まりではともかく、オリンピック代表団のような公の場では行えないはずだ。公の場での処分は、明確なルールに違反しているときでなければいけない。

オリンピックの日本代表団の編成方針には、「日本代表選手団は、礼儀を尊び規律を遵守し、活力ある日本を代表するに相応しい選手・役員をもって編成する」と定められているそうだ。

国母選手は、この編成方針に沿って選手団に選ばれている。ということは、国母選手のそれまでの服装や態度は、問題視されていなかったということになるのではないか。

オリンピックの日本代表には着こなしも重要な要素であるというならば、選手選考のときに、代表団の編成方針にあっていない選手はたとえ強くとも選ばなければよかっただけだ。

国母問題について(長文)

魚拓ですが、ソルトレイクオリンピックまでスノーボードチームのコーチをしていた方の文章です。
スノボという競技は、組織的に微妙な立ち位置にいるらしく、
日本のオリンピックの考え方そのものが抱える問題が垣間見えると思います。
批判的なコメントも多いけど、私は全く悪い印象は受けなかったなぁ。

全文コピの記事があったので、これも貼っときます。
晴耕雨読の信之介: 国母問題についてのスノーボードチームコーチの説明

一番興味深かった部分を抜き出させてもらいます。

問題点はスノーボードの強豪がそろうアメリカはこういった垣根無く選手にとって(賞金額も含めて)最良のイベントを選択して出場してくるという点です。アメリカ選手はFISのワールドカップには出場権を得るための最低限の出場をしてさっさと出場権を勝ち取りあとは高額賞金のイベントに出るのです。日本の選手たちに強いアメリカの選手と常に同じ舞台で戦わせて競わせたくても全日本スキー連盟や日本オリンピック委員会の意向で不可能なのです。
いくつ競技団体があろうとも日本の選手にとってもアメリカの選手にとってもオリンピックはやはり世界最高の舞台です。その舞台で表彰台に立つためにやるべきことは日本とアメリカではずいぶん違うようです。

僕自身がコーチだった時代に現時点で最高といわれるアメリカの選手がFISのワールドカップには出場せず高額賞金のイベントにばかり出てしまい、どうしても自分の選手をそういうレベルの高いところで競技させたくて、選手はプライベートで大会出場、コーチは視察を目的で予算を取りプロの大会に行かせてくれと全日本スキー連盟のスノーボード担当理事に掛け合ったことがありましたが、日本オリンピック委員会から補助金をいただいている関係でそんなことは全く無理だと一蹴されたことがありました。

ソルトレイク代表になった宮脇君は、他のプロの友人が高額賞金の大会にばんばん出て雑誌を賑わせているのに、自分は目立たないFISのワールドカップをスケジュールに縛られながら転戦して、もういやだ、オリンピックなんてどうでも良い、プロの大会の方でやっていきたいと嘆いていたことがありました。
そんなとき僕は、
「スノーボードの雑誌を賑わせてもそれだけだぞ。オリンピックにでたら近所の八百屋のおばちゃんだっておまえのことを知ってくれるぞ、そのぐらいオリンピックの影響力は大きいぞ、絶対におまえの将来に繋がるぞ、プロの大会で賞金稼ぐのはオリンピック終わってからにしろ」
と説得しました。

頑張れ!国母選手!
こちらはスノボ競技について詳しく書かれてますよ。完全にボーダーからの意見ですね。

Xゲームズ等で活躍するライダーは個性的でカズのようなファッションは当たり前です。また、iPodを聞きながら競技をすることも当たり前です。

そもそもスノーボードは横乗りスポーツの一種で、サーフィン、スケートボード等から派生したものです。ハーフパイプやスロープスタイル等の競技のほかに、バックカントリー、ストリート、ジブ、ファッションなど、総合的にスタイルを追求するスポーツです。

事実、ショーン・ホワイト、カズのような個性あるスタイリッシュなライダーが業界を盛り上げています。

先ほど開催されたXゲームズでは、ショーン・ホワイトが優勝、カズは3位入賞を果たしています。

大手メディアはIOCから高い放送権を購入しており、昨今の経済不況からCMスポンサーからの収入が激減しており、利益を出すためにCMスポンサーの意向を考慮し番組を製作しています。
そしてそのような状況下で視聴率を獲得し、利益につなげていかなければなりません。
そこでCMスポンサーから起用されている人気選手はクローズアップされますが、欧米ではとてもメジャーなスポーツでも日本ではあまりメジャーではないスノーボード選手は蚊帳の外といった感じです。

事実、今回のオリンピックでもスノーボードハーフパイプを放送するのはNHKのみです。

一部メディアでは競技での視聴率は関係がないので、こぞってワイドショーネタとして取り上げ、視聴率獲得を狙ったとしか思えません。

カズは一部メディアの餌食にされたのです。

コメント欄に興味深い意見がありました。

一流選手だからこそそこに非難が集中しファッション等のどうでもよい事に批判が集中するのではないでしょうか?あの会見の態度にはやスノーボード界の事情や国母選手の功績まったく通用しないかと思います。

特に日本だけではないとは思いますが、一流選手はいつどんな時でも一流と思われがちです。そうです、勝手に思い込んでしまうのです。

↓これ当たりだと思うwwwwww。

朝青龍が引退したので、叩けるスポーツ選手、ヒールを探してんじゃないですか?

逆に、この手の意見には自分はどうも賛同できなくなってきました。

これはオリンピックです。
一国を代表して出るのであれば、当然規律を守るのが当たり前です。

上の河野さんも言ってますが、その規律自体がはっきりしてないです。

国母の件では、断然やくみつるを支持するね
これ皮肉ってる文章なので、内容はタイトルとは全く逆です。

日本におけるオリンピックとは、スポーツ競技の素晴らしさを味わうイベントではなく、自分が仮託する「日本(人)」が「活躍」するのを喜ぶ場なんですね。

私は普段からスポーツをあまり見るわけではないので、
オリンピックで日本の選手が活躍してるのを見るのは嬉しいのですが、
同時に普段は見てないのに、こういうときだけ応援しちゃってごめんね・・・
とちょっと申し訳ない気持ちになることがあります。

なので、メディアの報道もこん時だけ・・・・と、ちょっとしらっとなるときがある。

選手の人だって、人間なんだから、
そう思ってちょっとくさってしまうときもあるのではないのかな。

国母問題について(長文)に、いいコメントがあったので、抜いときます。

日本人は総じて大変な怖がりであると聞きました。

そして特に、すがっていた「お約束」が時代とともに通用しなくなってしまった人々にとっては、オリンピックに出場するような人間は、自分の存在価値を揺るがしてしまう、潜在的な大いなる脅威なんだと思います。

だから、粗があれば本能的に攻撃をはじめてしまうのでしょう。
それは動物としての感情・習性ですから、理由付けなんてどうでもよく、ある理由が覆されたら、別の理由をくっつけるだけなのでしょう。

しかしこうして異なる視点を得られるのは、21世紀の大いなる進歩だと思います。
日本人が世代交代していくとともに、このような状況が変わっていくことを望んでやみません。

TVネタ

Posted by ponnao