贋作?本物?謎の紙芝居『妖怪大名』
前の記事でちょっと触れた水木しげるの紙芝居『妖怪大名』ですが、
妖怪大名が載っているという本が届きまして、増々謎が深まりました(爆)
ゲゲゲの鬼太郎妖怪百物語―水木しげる全面協力! (別冊宝島 (1045))
全頁のってましたが、検証のためちょびっとだけ・・・。
この宝島社の本の特集によると、妖怪大名について以下のように書いてあります。
「妖怪大名」とは、水木しげるの紙芝居作品であり、1950年代に新日本画劇社から刊行された。オリジナルの行方は不明で、第8回と第9回の複製画しか現存しておらず、詳しい内容については定かではない。しかし、この2回分の話から推測するに、「酒呑童子」をモチーフに描いたとされっる時代活劇。
主役の名前は、歴史博物館にあったのと同じく「欣也(弥)」でした。おおー。
もしかして本物?
横浜市歴史博物館「大紙芝居展」のパンフレットより
ちなみに、前のブログで書いた通り、展示してあるものは上とは違うものでした。
ミイラ男ではなく、黄金バットのような骸骨の顔をした侍(大名?)が出て来てました。
包帯をとった姿なのかなー。もう一回見て確かめたいです!
表紙には「作画:水木しげる 色:春山朗」とあります。
上のものと同じで、筆跡も同じ感じです。
文中に以下のようにあるのですが、
この「妖怪大名」も、既に人気を集めていた水木しげるさんに期待して、名前を勝手に借りて作った紙芝居なのでしょう。
もし、この贋作とされる妖怪大名も1950年代に作られていたとしたら、
水木しげるが一般的に認知されだしたのは、1964年以後ですので、
既に人気を集めていたという記述は矛盾を生じます。
それにその頃にはかなり、紙芝居は衰退してたと思うんだよなー。
この辺のコメントって、水木しげるについてはあまりよく調べてないのかも・・・と思いなおしてしまいました。
あと、絵のタッチが違うのでおかしいとあるのですが、
紙芝居時代と貸本初期の絵柄は今とだいぶ違うだろうし、
ゲゲ女に出てくる昔の原稿や今までの展示物などを見た感じだと、
このタッチでもおかしくない感じがします。
ちなみに余談ですが、色(彩色?)の春山朗氏については、古本屋検索で一つ作品が出てきました。
こちらは作画を担当してたようです。これ1個しか出てこなかったよ。
それからこんなブログ記事を見つけました。
水木御大が漫画家になる前に制作していたという紙芝居があるのだけれど。その現存しないといわれていた紙芝居『妖怪大名』のオリジナルが宮城県図書館にあるというので馳せ参ず。
大岡越前(だったかな、ウロ覚え。)の懐刀「欣也」という若侍が主人公らしい。白鑞化した女の死体が連続して発見され、解決に乗り出す欣也君。いかにも妖しい「ホータイ大名」というミイラ男のような大名に目をつけ、女装してわざと攫われることで屋敷に潜入する。そこでは悪党が、既に囚われていた女にヒルを貼り付けて血を吸わせていたッ、つづくーッ!
(中略)
熱狂的な水木ファンらしい司書だか学芸員だかの女性の、熱い解説が面白かった。「彼の妖怪に対するただならぬ情熱を感じ取ってください!」とかいってる姿をみて、あなたのその情熱の方がただならぬよ、と思った。
今回歴史博物館に飾ってあるものは、宮城から借りてきたものらしいんですけども、
上に書いたようにストーリーがちょっと違うんですよね。
しかし学芸員の下りを見ると、そこでは、本物として認識されてたっちゅーことでしょうか!
wikiでわかること
ま、wiki自体も信憑性ないけども・・・(´∀`)
会社名の「新日本画劇社」から調べられないかなと思ったのですが、
wikiやその他のページにも、水木しげるが「新日本画劇社」に所属していたという記述はなかったです。
募金旅行の途中で立ち寄った神戸市兵庫区水木通のアパートで家主に持ちかけられた話に乗り、借金の肩代わりを条件にこのアパート「水木荘」を譲り受け、貸家経営を始める。アパートの住人に紙芝居作家がいたことから、紙芝居の語り手として名人だった鈴木勝丸の阪神画報社に所属し、また加太こうじを紹介され、紙芝居作家として作品を描く。ペンネームの「水木しげる」は、鈴木が本名を覚えてくれず、いつまで経っても「水木さん」「水木さん」と自身を呼ぶため、それに従ってつけた。貸家経営も紙芝居も次第にジリ貧となり、経済的に逼迫した毎日が続く。この頃すでに、『墓場の鬼太郎』『河童の三平』を描いているが、紙芝居は使い捨てで「後世に残す」という部類のものではなかったため、水木の紙芝居作品は現存していない。
前の記事に、この頃水木というペンネーム使ってたのおかしいと書いてしまったのですが、
この記述だと、紙芝居時代からペンネームで水木を使ってたみたいですね。ちょっと勘違いしてた。
2005年水木しげる展の展示物
また2005年に川崎で開催された)水木しげる展でも妖怪大名が展示してあったそうです。
そうなるとプロダクションの方でも「妖怪大名」は認識してるってことですよね。
やっぱり本物と贋作があるのかな。
【4】紙芝居
ほとんど資料が残っていませんでした。唯一展示されていた当時の紙芝居「妖怪大名」も複製でした。またドラマ「のんのんばあとオレ」で使用された小道具として筆者が描いた紙芝居が展示されていました。
ということで、本でもネットでもやはりこれといった結論がでなかったです。
あまりにも気になるので、
博物館かプロダクションに直接聞くか手紙で送るかしようかなーとも思ってます。(迷惑)
解決記事をご期待ください(笑)
本記事とはあまり関係ありませんが、他に水木しげるの紙芝居について書いてある記事があったので載せときますね。
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